ご家族さまからの相談について|交通事故でご本人さまが相談できない場合の対応
交通事故が発生すると、被害者ご本人が動けなくなって相談が困難となるケースがあるものです。ご本人が重傷で入院してしまったとき、高次脳機能障害や遷延性意識障害で意思疎通が難しい場合、あるいは死亡してしまった場合など。
そんなときには、ご本人が事務所にお越しになれない特段の事情がある場合は、ご家族様からのご相談もお受けしますので、お気軽に名古屋ヒラソル法律事務所までお問い合わせください。
ご家族さまからのご相談を受け付けるケース
交通事故について、ご本人以外のご家族様からご相談をお受けするケースは、主に以下のような場合です。
- ご本人が入院中
- ご本人の心身の状態が悪く相談に来られない
- ご本人が意識障害
- ご本人が死亡してしまった
それぞれについて、具体的なご相談方法をお伝えします。
ご本人が入院中
事故でご本人が重傷を負って入院してしまうと、自ら弁護士事務所へ来るのは難しくなるでしょう。かといって退院を待っているといつになるかもわからず、ご本人もご家族さまも不安を感じるものです。地方で交通事故が発生すると、ご本人の入院場所と自宅が離れている場合もあります。
そんなときには、ご家族様からのご相談も承りますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の際には、以下のような準備をしていただけますとスムーズです。
- 交通事故証明書
- 事故状況がわかる図面などの資料
- 保険会社とのやり取りがわかる資料
- 治療の状況がわかる診断書などの資料や写し
- 本人確認資料
- ご本人さまとご相談者さまの関係がわかる資料
なお示談交渉などの手続きを正式にご依頼いただく際には、基本的にご本人との面談をお願いしています。ご家族様が代わりに委任するのは難しいので、ご了承ください。
ご本人さまが退院なさった後にあらためて弁護士とご本人さまが直接面談を行う形となります。
場合によっては弁護士が入院先へ出張し、面談を行ったり委任契約を締結したりもできますので、ご希望がありましたらお伝えください。
ご本人の心身の状態が悪く相談に来られない
交通事故に遭うと、被害者さまの心身の状態が極めて悪化してしまうケースがあります。
- 強いうつ状態になり、自分で弁護士に相談に行く気力がなくなる
- 体に強い痛みがあったり歩行困難となったりして、相談に来られない
上記のような場合でも、ご家族様からのご相談を受け付けます。ただし場合によっては、ご家族様からのご依頼はお受けできず、基本的には状況をおうかがいしてアドバイスをお伝えするのみとなります。ご家族様からご本人へアドバイス内容をお伝えいただき、ご本人が事務所に来られる状況になれば来所いただけますと幸いです。
弁護士が電話などでご本人とお話しし、来所のハードルを下げるお手伝いもできますので、まずはお気軽にご相談ください。
ご本人が意識障害
交通事故に遭うと、被害者の方が高次脳機能障害や遷延性意識障害(いわゆる植物状態)になってしまうケースもあります。強度の高次脳機能障害や植物状態になると、ご本人は意思疎通が難しくなり、ご自身では示談交渉も損害賠償請求もできなくなってしまいます。
法律上、ご本人の判断能力が一定以下に低下していると、ご家族が代理で示談交渉を進められません。示談交渉を進めるには、家庭裁判所で「成年後見人」を選任する必要があります。
成年後見人とは
成年後見人とは、判断能力が低下した方に代わって財産を管理したり身上監護措置を決定したりする人です。ご本人の預貯金や不動産などの資産を管理し、入院費用などの支払いを行い、どこの病院や介護施設に入所するのかなども決定します。
交通事故の示談交渉や訴訟、後遺障害認定手続きなどはすべて、成年後見人が代理して進めなければなりません。
成年後見人になれる人
破産者や未成年でなければ成年後見人になれます。家庭裁判所で認められれば、親や子ども、兄弟姉妹などの親族などの一般の方が就任することも可能です。
成年後見人になった場合の注意点
いったん成年後見人になると、示談終了後も後見業務を続けなければなりません。後見人でいる限り、定期的に家庭裁判所へ財産状況や収支などについて報告すべき義務も課されます。
また成年後見人を選任するには、必要書類を用意して家庭裁判所へ申立をして審判を経なければならず、手間もかかります。
弁護士にできること
ご本人に脳障害が発生して意思疎通が難しい場合やコミュニケーションが怪しい場合、早急に弁護士へご相談ください。
成年後見人の選任サポート
成年後見人が必要なケースでは、弁護士が家庭裁判所への申立を代行します。
必要な資料を集めて後見人が選任されるまで対応しますので、ご家族様に負担がかかりません。
ご家族さまが成年後見人に選任されれば、後見人となったご家族様からご依頼をお受けして弁護士が示談交渉や後遺障害認定などの手続きを進められます。
弁護士が成年後見人に就任
ご家族様の中に成年後見人として適切な方がいらっしゃらない場合には、弁護士を候補者として成年後見人選任申立を行います。
弁護士が成年後見人になれば、示談交渉や後遺障害認定などの手続きも弁護士が行えるので、手続きがスムーズに進みます。示談金を受け取った後も、弁護士がご本人さまの利益となるように管理するのでご安心いただけるでしょう。ご家族様に家庭裁判所への報告などの雑務がかかる心配もありません。
ご本人の処遇についてのアドバイス
交通事故でご本人が遷延性意識障害や高次脳機能障害となった場合、どこで介護するのかが大きな問題となります。
自宅で親族が介護するのか施設に入所するのかで、請求できる賠償金の金額も大きく変わってきます。施設に入所するなら、適切な機関を探さねばなりません。
弁護士にご相談いただけましたら、介護場所や方法についてもアドバイスさせていただきます。入所先の施設や自宅介護などについてお悩みのご家族様がおられましたら、お気軽にご相談ください。
ご本人が死亡してしまった
交通事故が発生すると、不幸にもご本人が死亡してしまうケースがあります。
愛知県や名古屋でも交通事故の件数が多く、死亡事故は少なくありません。
死亡してしまった場合、ご遺族が示談交渉や損害賠償を進める必要があります。
ただしご遺族(相続人)が複数の場合、代表者を選任しなければ保険会社は示談交渉を受け付けません。遺族がまとまらない場合、いつまで経っても示談交渉を開始できなくなってしまいます。
また交通事故で大切なご家族を失われた方は精神的に気落ちして、とてもではありませんが自分で示談交渉を進める気持ちになれないケースもよくあります。
死亡事故の損害賠償は、弁護士にご相談ください。
相続人調査
死亡事故に対応するには、相続人を確定しなければなりません。ご本人の生まれてから、亡くなるまでのすべての戸籍謄本類を集める必要があり、ご遺族の方にとっては大きな負担です。漏れが生じて適切に相続人を確定できないケースもみられます。
弁護士にお任せいただけましたら、すべての戸籍謄本類をスムーズに集めて相続人を確定致します。
示談交渉だけではなく、遺産相続手続きにも役立てて頂けます。
弁護士が窓口になって賠償請求を行う
死亡事故で遺族の代表者を決めにくい場合やご遺族ご自身で賠償請求を行うのが厳しい場合、弁護士へ示談交渉をご依頼ください。
ご遺族全員が弁護士に委任すれば、弁護士が窓口となってスムーズに示談交渉を進められます。保険会社とのやり取りはすべて弁護士が行うので、ご遺族に負担がかかりません。
事故を思い出すと精神的に苦しい方も、日頃は事故から離れて日常生活に戻っていきやすくなるでしょう。
賠償金額が増額される
弁護士が対応すると、死亡慰謝料などの賠償金が大きく増額する可能性もあります。
たとえば死亡慰謝料の計算基準は弁護士と保険会社とで異なり、1000万円程度の差額が発生するケースも少なくありません。
ご本人の無念に報いるためにも、弁護士へ示談交渉を任せて法的に正当な金額の賠償金を受け取りましょう。
示談金を受け取った後、遺産相続のサポート
死亡事故で保険会社から示談金を受け取ったら、分配方法を決定しなければなりません。
基本的にはご遺族が法定相続分に応じて分配しますが、話し合いによって異なる割合にもできます。ご自身たちで話し合うのが難しい場合、弁護士がアドバイスいたします。
示談金以外にも、預金や不動産などの遺産が遺されれば遺産分割の対応が必要となるでしょう。弁護士は遺産調査や遺産分割協議の進行についてのアドバイス、遺産分割協議書作成や名義変更など、相続手続き全般について支援いたします。
示談金を受け取った後も継続的にサポートいたしますので、ご安心してご相談ください。
ご友人からのご相談について
被害者ご家族さまからのご相談は受け付けていますが、基本的にご友人や知人さまからのご相談は受け付けていません。
ただし天涯孤独の方などで、ご家族と同様に親しくしていらっしゃった方や内縁の配偶者の方などからのご相談であれば、受け付けられる可能性もあります。
迷われたときには、まずは一度名古屋駅ヒラソル法律事務所までお問い合わせください。